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「ヒト受精卵のゲノム編集の臨床応用に関する関連4学会声明」を発表いたしました。

ヒト受精卵のゲノム編集の臨床応用に関する関連4学会声明

 

中国でゲノム編集を行った受精卵から双生児を出産させることに成功したという報告が、香港で開催された第2回ヒトゲノム編集国際サミットにおいて発表されました。発表内容の真偽については現時点で明らかでありません。

 

日本遺伝子細胞治療学会、一般社団法人日本人類遺伝学会、公益社団法人日本産科婦人科学会、一般社団法人日本生殖医学会(以下「関連4学会」)は、かねてより一致して、ヒト受精卵を用いたゲノム編集の臨床応用は禁止するべきであるとする立場をとってきました。2016年4月の「人のゲノム編集に関する関連4学会からの提言」においても、ヒトの生殖細胞や胚に対するゲノム編集の臨床応用を禁止すべきであることを明確に提言しております。

 

ゲノム編集技術は、生命科学の研究には今や不可欠とも言える重要な研究ツールであり、関連4学会では、ゲノム編集技術の更なる向上や、基礎研究や体細胞を用いた遺伝子治療開発におけるその活用を、今後も推進していきます。

 

しかしながら、ゲノム編集技術は、現時点では精度や効率などの点でなお発展途上の技術であり、予期しない結果を生じる可能性があります。更に、遺伝子が改変されたヒト受精卵が成育して個体になるようなゲノム編集技術の応用は、遺伝子改変の影響が世代を超えて継続することから、人類の多様性、ひいては進化にまで影響するような重大な事態に繫がることが懸念されます。関連4学会は、今回の報告のような事態が再び起こらないよう、ヒトの生殖細胞や胚に対するゲノム編集に関して、可及的迅速な対応が必要であると考えます。

 

関連4学会は、ヒトの生殖細胞や胚に対するゲノム編集の臨床応用を禁止すべきであるとする立場を改めて明確にし、ここに表明致します。関連4学会は、引き続き、 ゲノム編集技術に係る国民の理解を深めるため、相互に連携しながら、社会に対する情報提供や啓発活動を積極的に行ってまいります。

 

2018年12月4日

 

日本遺伝子細胞治療学会 理事長        藤堂 具紀

一般社団法人日本人類遺伝学会 理事長     松原 洋一

公益社団法人日本産科婦人科学会 理事長    藤井 知行

一般社団法人日本生殖医学会 理事長      市川 智彦

 

参考

・人のゲノム編集に関する関連4学会からの提言

http://jsgt.jp/INFORMATION/statement160422.pdf

http://www.jsrm.or.jp/guideline-statem/statement_2016_01.pdf